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住宅地(42地区)では、上昇地点が、「豊洲」(東京都江東区)や「高輪」(東京都港区)などの11地区で、下落地点の7地区を上回った。
マンションの売れ行きが好調だったことで、不動産会社などによるマンション用地の取得が活発化してきた。国交省は「住宅地の地価は下げ止まり、底を打った」(地価調査課)と分析している。
商業地(108地区)は、下落地点が前回調査(2010年10月1日)より5地区少ない73地区となった。上昇地点は前回の1地区から、「武蔵小杉」(川崎市)など5地区に増えた。「金山」(名古屋市)は、全国で3年ぶりに6%以上の上昇率を記録した。
リビアなどの産油国の混乱にやや水を差された形ではありますが、日本の株価も徐々に回復しておりまして、春の訪れと共に、景気回復の足音もだんだん聞こえてくるような気がします。
実際、2010年の不動産販売は、その前の2009年が悪すぎた反動もありますが、回復基調が鮮明になっていますね。まだまだリーマンショック前・サブプライムショック前の水準から比べれば低水準ですが、それでも業界が活気を取り戻していくのは、供給側はもちろん、需要側、つまりユーザーにとっても購入の選択肢が広がる可能性が高いわけで、歓迎していいことだと思います。
そうした不動産の回復基調の中で、出遅れていたのが地価であります。つまり土地の値段ですね。
不動産の販売が回復しつつあるわけですから常識的には土地の値段もそれにつれて上昇するイメージがあるわけですが、実際には昨年発表された地価は概ね下落を指し示しておりました。詳しい理屈は記者も理解しておりませんが、地価の多くは、実際の取引を伴わない「理論値」だとすると、どういった事例を参考にするかで、実勢価格と乖離する、もしくは遅行する、といったことが起こるのかもしれません。
そんな「温度差」を感じていた地価でしたが、ここにきてようやく上昇を示す結果が出始めてきておりますね。
上記記事では国土交通省が発表した1月1日時点の地価動向報告が取り上げられておりますが、それによれば住宅地で地価が上昇した地点が下落地点を上回ったということです。これは2008年1〜3月期以来、約3年ぶりということですね。グラフで表すとこういうことになっております。
もちろん、単純に上昇地点の数が下落地点の数を上回ったからといって、全体が上昇しているとは言えないのでしょうけれど、地価のトレンドを把握する上では有効な指数なのでしょうね。概ね「体感温度」に近いグラフになっているのではないでしょうか。国土交通省の方も「住宅地の地価は下げ止まり、底を打った」とコメントしているようですから、出遅れていた地価も、いよいよ回復してきたと考えて良さそうです。
気になる点があるとすれば、住宅地が42地点と、「全国主要都市の地価」と言うわりにはサンプル数が少ないように感じる点と、商業地がまだまだ低空飛行にある点でしょうか。
前者については、特に地方に住んでいる方からすれば違和感があるかもしれません。また、後者については、住宅地が商業地に先駆けて回復した一因が住宅ローン減税などの各種優遇政策だとすると、それらが縮小・終了していく過程で反動がくる可能性はあるのかもしれません。
とは言いながら、全体の基調としてはやはり景気回復に伴い、都心部を中心に地価も上昇していく、と考えておいたほうが自然だと思います。
地価動向については定期的にwatchしていきたいと思います。