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家探しで、物件価格はとっても気になるもの。「この物件、安い!」と思ってよく見たら、築30年以上の物件! 築年数が古いと、リフォームは絶対必要だろうし、地震などで倒壊しないか心配だし……。長く住み続けられるのかが気になって、たとえ格安だったとしても、見送っておこう……という人も多いのではないでしょうか。
しかし、逆に言えば、もし安心して長く住めることが分かっていれば、築30年でも40年でも問題ないかも。早速、築30年以上の物件について、不動産会社に問い合わせてみました。
■築30年以上の物件って、あとどのくらい住めるものですか?
「よく質問をいただきますが、難しい質問です。マンションでも一戸建てでも、いつまで住めるか決まっているわけではないので、一概にあと何年住めますとは言えないんです。物件の規模、施工技術、建築確認の時期、建築場所の違いなどで変わってきます。
これは参考でしかありませんが、住宅ローンを設定するときにマンションであれば建物の担保を築50年まで見ているケースが多いです。つまり、金融機関は「だいたい50年くらいはもつだろう」と考えているわけですね」
■築古の物件は、地震が来ても大丈夫なのでしょうか?
「耐震性については、1981年に耐震基準の大きな見直しがありました。ですので1981年以前の建物か、それ以降の建物かで耐震性能が大きく異なります。1981年の新耐震基準で建てられた物件でしたら、大きな地震が来ても倒壊のリスクは低いでしょう。
注意したいのが、1981年の物件なら、なんでも安心かというとそうではないことです。建築基準法は6月1日に改正されました。ですから、その後の審査をクリアされてる事が条件です。1981年の物件であれば何月に建ったのかもチェックしてください」
■築年数が古い物件を選ぶときに、どんなポイントをおさえればいいですか?
「すでにお話したとおり、1981年以降の耐震基準に基づいて建てられた物件かどうかをまずはチェックしてください。もしそれ以前に建てられた物件でも、その後に耐震補強工事を行っていれば、新耐震基準同様の耐震性能があるので、とりあえずは安心といえます。
また、マンションならば修繕計画の実施状況は確認すべきです。きちんと修繕計画に基づいた修繕を実施していないと、メンテナンスが不十分で、そのぶん建物の寿命も短くなります。「マンションは管理を買え」と言われるくらい、管理によって建物の寿命は変わりますから、管理組合がしっかりと機能しているか、管理状況は見ておきたいですね。物件を見に行って「なんだか汚いなぁ」という印象を持つようでしたら、管理に問題があるかもしれません」
■築30年以上のマンションの、価格以外のメリットはなにかありますか?
「築年数に限らずですが、立地には注目しておきたいです。特に、いい立地に建っている築年数の古いマンションなどは狙い目です。立地は固有のものですから、同じ場所に新築マンションを買いたいと思っても買えません。「場所を押さえる」という意識で、築年数にこだわらず購入するのは、ひとつのテクニックです。
仮に建て替えを行う場合、気に入った場所で優先的に新築に住めるかもしれません。とくに古い物件ですと、その土地に建てられる最大限の大きさの建物を建てておらず、建て替えになったら住戸数が増えてそれまで住んでいた人は割安で新築住居に住めるなんてこともあります」
なるほど。ただ安いからお得、というのではなく、建物の耐震性をチェックした上で、お得な物件を探すのが賢い築古物件の探し方ですね。見逃してきた物件のなかにも、これは!という物件が眠っているかも!? 目をさらにして探したくなりますね。
<編集部からのコメント>
誰しも、より安く、より広い物件に住みたいのだと思いますが、もちろん世の中にはそんなウマイ話はなく、仮にどうしても安くて広い物件に住みたいということであれば、他の何かを諦める必要があります。例えば「立地」や「築年数」ですね。
かく言う記者も、安さと広さは捨てがたく、賃貸の時などは、立地や築年数を諦めたことがあります。具体的には駅から徒歩15分以上の場所だったり、築20年以上経っている物件などです。
実際住んでみれば、少なくとも立地の方はあまり気にならなかったですね。住めば都とはよく言ったものです。
一方、築年数については、物件にもよるのだと思いますが、表面的には結構綺麗にリフォームされている場合でも、やはりどこかで「古さ」を感じる場合が多かった気がします。マンションで言うと防音性能が今ひとつだったり、共用部分での利便性が劣る等です(宅配ボックスがなかったり、オートロックがなかったり、など)。
しかしそれを上回るコストパフォーマンスがあったのも事実です。コストも含めて考えれば満足度はまずまずでした。
ただ、上記経験はあくまで賃貸の場合でありまして、「嫌なら引っ越せばいいや」という気軽さがあったのも事実です。これが実際に「購入」となると、躊躇する面があるかもしれません。
上記記事ではそんな懸念にズバリ応える「築30年以上の中古物件、本当に大丈夫?」というのがテーマですね。
ポイントを列挙すると以下のような点が挙げられております。
・1981年以前の建物か、それ以降の建物かで耐震性能が大きく異なる。1981年の新耐震基準で建てられた物件であれば、大きな地震が来ても倒壊のリスクは低い。
・マンションの場合、修繕計画の実施状況は確認すべき。「マンションは管理を買え」と言われるくらい、管理によって建物の寿命は変わる。
・いい立地に建っている築年数の古いマンションなどは狙い目。「場所を押さえる」のは、ひとつのテクニック。仮に建て替えを行う場合、気に入った場所で優先的に新築に住めるかもしれない。
なるほど。分かりやすいのは1つ目の「1981年以前か以降か」ですね。これは調べればすぐに分かります。また3つ目の「立地」についても、都心かどうか、駅からの距離などはすぐに分かります。ここで概ね、魅力的な中古物件かどうかの取捨選択ができますね。
問題は2つ目の「管理状況」かもしれません。仮に不動産屋に聞いたとしても、「問題ないですよ」と言われればもうそれ以上、聞きようもない気がしますね。良心的な不動産屋ばかりとは限りませんし、良心的であっても知識不足という場合もありえます。
買主の自衛策の1つとしては、専門家にチェックを依頼する、というのも手ですね。どこまで掘り下げて調べてもらえるのかは分かりませんが、少なくとも素人である買主がリスク判断するよりは何倍も信頼できます。
うまく行けば、それこそ値段は安いのに建物の価値が維持されている、掘り出し物の物件に出会えるかもしれませんね。
記者も思い返せば、強く印象に残っている物件の多くは中古ですね。安くて素敵な物件がいくつかありました。立地も良かったですね。デメリットもそれぞれ印象的でしたが・・・。
気候は違えど、欧米の住宅の平均寿命は50年とも70年とも言われておりますね。中古物件まで選択肢を広げれば、物件選びもより楽しくなるかもしれません。これから物件選びをされる方は参考になさってください。