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<編集部からのコメント>
9月となりました。月日が経つのは早いものですね。2012年度も上半期が終わろうとしています。住宅市場が盛り上がるのは引越しシーズンとも重なる3月末が有名ですが、9月末も期末ということで少しは盛り上がるのですかね?
ただ少なくとも過ごしやすい気候に移っていくのは間違いありませんので、モデルハウスに行くにせよ、モデルルームに行くにせよ、物件を見に行くにせよ、8月よりは顧客の動きが活発になるのでしょうね。
しかも今年の8月は暑かったですからね・・・。正直、記者もあまり出歩く気分にはなれませんでした。街角ではたまにマンション業者の社員と思しき方が付近のマンションのプラカードを持っているのを見ますが、どうぞ体調を崩されないようご注意ください。
政治は相変わらずごたごたしていますが、消費税増税法案はどうにかこうにか通りましたしね。今後、増税前の駆け込み需要が徐々に増えてくるとすれば、やはり住宅市場も盛り上がっていくのでしょう。
さて、そんなこれからマイホーム購入を検討されている方だけでなく、既に住宅ローンを借りている人にも気になるのが、住宅ローンの金利動向ですが、今月は固定金利が全般的に概ね0.05%〜0.10%程度上昇しましたね。
>>>今月の住宅ローン金利比較はこちら
主な住宅ローンの金利幅はこのようになっています。
■2012年9月の住宅ローン金利状況(実質金利)
・変動金利 :0.865%〜2.675%
・10年固定:1.340%〜3.70%
・20年固定:2.000%〜3.40%
上昇幅はごくわずかですが、最近、住宅ローン金利は下がり続けていましたので、ここに来ての上昇にビックリしたり、慌てた方も少なくないかもしれません。
今月の住宅ローン金利が上昇した理由はもちろん、世の中の金利が少し上昇したからですね。「金利が上昇」と言われてもピンと来ない方も多いと思いますが、振り返ってみれば確かに日経平均が9,000円を超えるなど、景気の持ち直しを思わせる動きがありましたね。景気が上向けば、株価も金利も上昇するのが習わしです。
日本経済も復興需要などにより、意外に堅調であるという話も耳にします。とすると、今後、住宅ローン金利は徐々に上昇していくのでしょうか?
そこで論より証拠ということで、住宅ローンの金利と関係の深い長期金利=10年もの金利の推移をチェックしたいと思います。
■長期金利グラフ(グラフ期間:1年)
確かに7月を底にして8月半ばにかけて長期金利は0.8%台半ばまで、0.1%近く上昇する局面もありました。
しかし。
その後はするすると下落し、また0.7%台に逆戻りという状況ですね。金利が上昇する機運はすっかり後退したことになります。株価がそこまで下落していないことを考えれば、なぜ金利が下落トレンドに戻ったのかやや理解に苦しむところはありますが、アメリカやヨーロッパなどの更なる金融緩和への期待が広がっているということですかね?
金融緩和とは、中央銀行が金利などを引き下げて、世の中でお金が出回りやすくする政策のことを言います。
今後、金利は更に下がるのか、この水準を維持するのか、むしろ上昇するのかを正確に予測することは誰にもできませんが、やはりグラフの形を見る限り、金利は下落基調が続くと考えた方が自然なような気がします。
いずれにせよ、今月、住宅ローン金利を引き上げた市場金利の上昇の動きは足元ではすっかり後退したということですね。だとすればかなり気が早いですが、来月=10月の住宅ローン金利は今月から一転して下落することになります。今月や来月でのフラット35や固定金利タイプでの借り入れを検討されている方はご留意ください。
とは言いながら、長期金利の過去10年間の推移を振り返ってみれば、今が極めて金利の低い、「史上最低金利」水準にあるのは間違いありません。多少の金利の上下は全然気にしなくてもいい・・・かもしれませんね。
■長期金利グラフ(グラフ期間:10年)
加えて、過半数の方が利用を検討しているのは住宅ローンの変動金利タイプと思いますが、今月の変動金利は全く上昇していません。なぜでしょうか?
それは、変動金利の指標となる短期金利はほぼ0%と全く変動していないからですね。と言うのも、この短期金利は日本銀行=日銀が、デフレを抑えようと「ゼロ金利政策」と呼ばれるように、意図的に低く抑えているからです。
ではこの政策効果により、デフレが収まり、インフレになる気配があるかと言われれば全くありません。日本でデフレが続く限り、短期金利が0なのだとすれば、変動金利はこの先もずっと低いままであり続ける可能性は十分ありますね。
なお、それでも金利上昇リスクが気になる方は、何度も書いていますが、「変動金利+固定金利」を組み合わせるミックス金利がお勧めです。これであれば低金利のメリットも、金利固定化のメリットも両方享受できますね。もしミックス金利を検討される場合は、「変動金利も固定金利も低い住宅ローン」を選ぶことが重要です。参考になさってください。
>>>今月の住宅ローン金利比較はこちら
そんなわけで、長期金利の動向から考えても、短期金利の動向から考えても、住宅ローン利用者にとっては強い追い風が吹いている状態が続いています。住宅ローンを新規で借りるにせよ、借り換えるにせよ、焦らずじっくり検討いただければと思います。