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<編集部からのコメント>
前回のこちらのコラムでは、先日発表された住宅金融支援機構の「民間住宅ローン借換の実態調査(平成24年度)」の調査結果に基づき、今、借り換えをされている方がどういった金利タイプを選んでいるのか、といった点をご案内しました。
>>>住宅ローン借り換え時に選ばれている金利タイプは?
今回も、同調査をもう少し深堀してみたいと思います。前回の続きとなりますが、住宅ローン借り換え時に利用者の方々がどういった金利タイプを選んでいるかといえば変動金利タイプが優勢だったわけですが、ではそうした金利タイプ選択を「年齢別」「年収別」で分けるとこういうことになるようです。
見れば分かるとおり、年齢が若ければ若いほど、そして年収が高ければ高いほど変動金利タイプを選んでいることが分かります。
多くの方は「ふーん」と聞き流されるかもしれませんが、実はこれ、基本的には「ありえない」分布です。というのも日本の世帯年収はまだ年功序列構造が生きていて、年をとればとるほど年収は増えていくからですね。
つまり年齢と年収は統計上は「ほぼ同じ意味」で、こうしたグラフもほぼ同じ形になるのが通例です。ではなぜこんなありえない分布が生まれたのでしょうか?
その最大の理由は、20歳代の回答者数(13人)と年収1,500万円超の回答者数(23人)の少なさに起因するのでしょうね。つまりたまたま、20歳代の回答者に「高年収かつ変動金利ユーザー」が何人かいて、それが結果をゆがめた可能性が高いのではないかと思います。
そんなわけで、回答者数が極端に少ない「20歳代」と「1,500万円超」を無視して解釈すれば「年齢には関係なく、年収が高ければ高いほど変動金利タイプを選ぶ人が少しずつ増えていく」というのが正しい認識となりますかね?差はそれほど大きくはありませんが・・。参考になさってください。
次に住宅ローンを借りてから、借り換えまでの期間ですが、その前に巷で言われている借り換えの条件を再掲するとこうなります。
・住宅ローン残高 : 1,000万円以上
・住宅ローン返済期間 : 10年以上
・住宅ローン金利引下げメリット : 1%以上
「住宅ローン返済期間が10年以上」ということは、住宅ローンの借入期間が35年だとすると借りてから25年以内に借り換えた方がメリットが出やすい、ということですね。
では具体的にどれくらいの期間で借り換えているかと言うとこういうことになるようです。
25年以内どころか・・・全体で見ればほぼ10年以内で借り換えていることが分かります。8割近い方が「10年以内」ですね。加えて「5年以内」は4割、中でも「3年以内」という猛者は3割もいらっしゃいます。
意外にみなさん、高速で借り換えていることがよく分かりますね。これだけ高速だと完済までに2度・3度借り換えをされる方も少なくないのかもしれません。
もちろんこのように短い期間で借り換えが行われている背景は住宅ローン金利の急速な低下ですね。代表的な金利指標である長期金利はこのように推移しておりまして、これに概ね連動して住宅ローン金利も下がっています。特にここ5年くらいの金利低下が急なので、より借り換えニーズも高まっているのではないでしょうか。
無用な借り換えをお勧めするわけではありませんが、気がつけばまわりのみんなはとっくに借り換え済み、なんてことはあるかもしれませんね。もちろん金利が低下すればするほど、借り換えメリットが増えていくわけですから、まだ借り換えをされていない方はこれを機会に検討してみてはいかがでしょうか。
また、上記「借り換えの条件」に戻れば、住宅ローンの残存期間が長ければ長いほど、元本が多少少なくても、金利差がそれほどなくても、十分借り換えメリットが出ることになりますね。
借り換えに関しては各銀行がシミュレーションを提供してくれているので、それを目安にしても良いと思います。こちらも参考になさってください。
>新生銀行/借り換えシミュレーションはこちらから
>住信SBIネット銀行/借り換えシミュレーションはこちらから
ちなみに上記調査結果に戻れば、10年以内の借り換え率が最も高いのは「当初3年固定タイプ」を筆頭に、最初の金利がより低い当初金利固定タイプを選んでいる方々ですね。
優遇幅が大きい住宅ローンを選びつつ、優遇期間が終われば借り換えるというスタンスが垣間見えてなかなかたくましいですね!
これから住宅ローンの借り換えを検討されている方は参考になさってください。