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<編集部からのコメント>
ここ数日のサプライズといえばやはり2020年の東京オリンピック開催決定ですね。
正直、記者は難しいと思っていましたので余計に驚きましたが、まずは招致に尽力された方々に感謝したいと思います。記者自身の招致活動への貢献は全くのゼロでございました・・・申し訳ありません。
考えてみればオリンピックはたった2週間で終わる祭典で、予定されているスケジュールを見ても7月下旬に開始され、8月上旬には終わるという、真夏のはかないイベントではあります。
しかし世界中のみんなの記憶にほぼ永久に留まるという点では、開催日数をはるかに超えたインパクトがあるのは間違いありません。ぜひ良い思い出を送り届けたいものです。
加えて、日本の政治や経済に、「2020年」という句読点が打たれたのは大きいですね。奇しくも日本では、前回の東京オリンピック開催時に急ごしらえで作られた高速道路等のインフラが更新期に入っており、こうしたインフラの維持管理が大きな社会問題となりつつあります。
そこにオリンピックという共通目標ができたお陰で、2020年にむけて、こうした更新が大きく進んでいくのでしょうし、それが日本経済を底支えするのも間違いないと思います。オリンピックを契機に日本経済が新たな成長期に入ることを期待したいと思います。
さてこうした世界的なイベントが決まれば、やはり地価にもそれなりに良い影響が出てくるのではないかと思います。特に東京の湾岸エリアは競技開催地に近く、集中的なインフラ投資が見込まれるほか、震災の影響で一旦は値下がりしたと思いますので、余計、「オリンピック効果」が期待できます。
消費税増税前の住宅の駆け込み需要は、タイミング的にはそろそろ最終コーナーですが、今度はオリンピック需要が盛り上がるでしょうか?この際、五輪バブルでも何でもいいので(笑)、インフラだけでなく住宅市場もそれなりに活況となればよいですね。
もちろん、住宅市場にオリンピック効果が出てくるのはまだまだ先ではありますが、では最近の住宅価格の推移はどうなっているかというと、ちょうど国土交通省が2013年4月分の住宅価格指数を速報として発表しています。発表資料からグラフを抜き出すとこうなっています。
いろいろな考え方ができるグラフですね。2008年度の平均を100としているということですが、2008年度の後半はリーマンショックがあり住宅価格が大きく下がったにも関わらず、住宅の総合指数は一度も100を超えていません。つまり住宅価格の上ではまだリーマンショックを克服するに至っていない、ということですね。
一方で、低位安定する住宅総合指数を尻目にスイスイ上昇しているのがマンション価格です。マンション価格はこの4月は「108」ということで、2008年度平均をすでに8ポイントも上回っている、ということになります。
この結果だけを見れば、住宅購入者の「戸建て離れ」「マンション志向」が徐々に進んでいるように感じますがいかがでしょう?あくまで価格の上で、ということではありますが。
また、これが三大都市圏ではなく全国の住宅価格の指数である点も押さえておきたいポイントですね。どういうことかと言うと、全国的な地価は、「都市圏堅調vs地方圏下落」という流れがバブル崩壊以降の30年間ずっと続いています。
つまりそうした、地方圏に多い、地価が下落基調にある地点の住宅価格も含めての推移が安定しており、さらにマンション価格に至ってはスイスイ上昇している、ということは、都市圏では回復基調がもっと鮮明である、ということを示唆しています。
そんなわけで、同時に発表されている三大都市圏のグラフを抜粋するとこうなっています。
まずこちらが南関東圏、つまり東京圏ですが、意外にもマンション価格はそこまで上昇していない一方で、土地が徐々に回復しており、住宅早々指数は100、つまり2008年度平均を上回る局面も出てきています。
次にこちらが名古屋圏です。こちらは東京圏とは対照的に土地の指数はやや低迷する一方で、マンション価格の上昇が著しいですね!すでに2008年からは15%程度上昇している、ということですね。
そして最後に京阪神地区、つまり関西圏ですが、こちらもマンション価格が好調な一方で、土地の値下がり傾向が印象的ですね。特に直近の4月時点では過去最低値まで低下しています。何か特殊事情でもあるのでしょうか?
こうして見てみると、土地の値段については地域によってかなりバラツキがある一方で、マンション価格の好調については各エリア共通ですね。
繰り返しになりますが、これはあくまで値段の推移だけですので、こうしたマンション価格の上昇が、需要の拡大に伴うものなのか、あるいは円安による資材価格の上昇や震災以降の人手不足などの供給側の問題なのかは分かりませんが、注意しておきたいトレンドですね。
加えて、「速報」とは言いつつ、このデータはあくまで4月時点のものなので、増税前の駆け込み需要が加速している現在ではさらに上昇している可能性があります。
また、冒頭ご案内したようなオリンピック効果が住宅価格にどういった影響を与えていくのかも気になるところですね。
こうした住宅価格の推移については定期的にウォッチしていきたいと思います。マイホーム購入を検討されている方は参考になさってください。