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<編集部からのコメント>
4月から消費税が上がったわけですが、それに先立ち昨年9月には新築マンションや注文住宅の駆け込み需要が起き、直前のこの3月にも相応の駆け込みが起きたのではないかと思います。
もちろん冷静に考えれば、4月以降、住宅ローン減税の拡充やすまい給付金などが用意されていたわけで、実はそれほど「駆け込む」必要はなかったのですが、「景気の気は気分の気」と言われるようにこうした駆け込みは心理的な要因が大きいですね。
集団心理が需要を拡大させた面は大きいのではないかと思います。
逆に言えば4月以降の住宅市場はその分、スローダウンしているのではないかと思います。住宅というのは「一生に一度の買い物」と言われるように、お得だからといって二軒も三軒も買うわけにはいきません。
つまりは需要の総数はほぼ一定なわけで、駆け込み=需要の先食いであり、そのあとのどこかのタイミングでキッチリ落ち込むことになります。現段階ではまだ4月の不動産市場に関する統計データは発表されていませんが、恐らく、10%〜20%といった規模での「反動減」が起こっているのではないかと思いますがいかがでしょうか?
いずれにしても足元では一旦はスローダウンしているのではないかと感じる住宅市場であり、住宅ローン市場ですが、遠くないタイミングで再度過熱してくるのも間違いないと思います。と言うのも2015年の10月から消費税の10%への増税が予定されているからですね。
上記の通り5%→8%のタイミングでは手厚い「激変緩和措置」があったわけですが、8%→10%のタイミングではそれはありません。つまりは確実に負担が増えるだけに駆け込み需要の圧力もその分、強くなるのではないかと思います。
だとすれば2015年10月以降はいよいよ、住宅市場が「冬の時代」を迎えることになりそうですね。
「春の時代」がアベノミクスが意識されだした2012年12月からだとすれば約2年ですから、「冬の時代」も2年くらい続いても不思議ではありません。
ただ「冬」だ「春」だと言ってもそれはあくまで不動産業界の話であって、一消費者からすればどちらにもメリット・デメリットがあり、あまり心配する必要はないわけですが。
さて前置きが長くなりましたが、上記引用したコラムでは「マンションバブルの崩壊 早ければ7月に訪れると専門家」となかなか刺激的なタイトルになっています。それもそのはずでこれは週刊ポストの記事ですね。
週刊ポストは毎週「○月○日がXデー」と警鐘を鳴らしていますが、賢明な読者の方々はご存知の通り当たったためしがありません。そんなわけでこのコラムも一目して眉唾なわけですが、それはそれとして、その理屈を読み込んでみたいと思います。
まずそもそも今、「マンションバブル」といわれても実感が湧かない方の方が多いのではないでしょうか?
上記コラムではその「マンションバブル」の根拠として「2013年度の新築マンションの発売戸数は前年比18.2%増の5万5245戸。2007年のリーマン・ショック前に迫る高水準」と指摘しています。しかしこれはもちろん増税前の駆け込み需要が影響した結果であり、今年度はその分、落ち込む可能性が高いですね。
また逆に言えば、増税前の駆け込み需要を持ってしても「リーマンショック前」に届いていないわけで、やはりこれを「バブル」と言うには無理がありますし、仮にバブルだとしても、この3月で一旦ははじけている可能性が高いです。
それはそれとして次に気になるのが、なぜ7月に不動産相場が崩れるのかという点ですが、専門家氏は7月に総務省が5年に1回の「空き家率の統計調査」を発表するから、とのことです。
仮に5年前より数値が大きく悪化していれば住宅市場に大きなインパクトを与えるということですが・・・いかがでしょう?
確かに不動産業界の方や不動産投資家の方からすれば非常に気になる数字かもしれませんが、一般の消費者からすれば・・・空き家が多かろうが少なかろうが全く関係ないですね。
自分たちが住み続けるかぎり空き家問題とは無縁ですし、自分たちが住みたい場所=他の人も住みたい場所なわけで、そうしたところで空き家が増えているとはとても思えません。交通の便がよく、便利で、教育環境が整っている場所というのはいつでも人気だからですね。
そもそも5年前=恐らく2009年にそうした統計調査から住宅市場が冷え込んだという話は聞きませんしね。
ということで、やはり「マンションバブル」にしても「7月の住宅市場の危機」にしても、どちらも正しくはなさそうです。
一方で。
記者が住宅市場の「曲がり角」として気になるのが、上記の通り消費税再増税後の「反動減」に加えて、消費者の購入意欲の減退です。下記はアトラクターズ・ラボ株式会社がマンション購入検討者に対して行っている定例意識調査の結果です。
これは概ね半年に1回実施されているわけですが、今回=2014年1月の調査では、前回=2013年7月の調査と比べて、現在の物件の購入価格が「購入をためらうほど高い」「購入をあきらめるほど高い」と感じている方が明らかに増加しているのですね!
大きな潮流の変化と言えそうです。
その結果、マンションの購入意欲もこのように変化しています。
前回まで概ね高水準だった「1年前と比べてマンションの購入意欲が増した」という方々の割合が明らかに低下してきているのですね!
これはこの調査だけでなく、他の調査でも似たような結果となっていますので、やはり全体のトレンドを正確に表しているのではないかと思います。
株式のバブルも「高すぎて誰も買わなくなったとき」に暴落が始まるものですが、こうした傾向が続くようであれば不動産市場の反落も意外に近いのかもしれませんね。
ただし、それは不動産価格の低下を意味しますので、住宅購入者からすれば歓迎すべき面もあります。
住宅ローン金利はもうしばらく今の低金利が続くと思いますが、住宅市場の方は今後どうなるのでしょうか?注目したいと思います。
これからマイホームを購入しようとされている方は参考になさってください。