※当サイトには広告リンクが含まれています。
これまで何度か話題にしてきた消費税再増税の延期問題ですが、昨日、安倍総理から正式に延期の旨が発表となりました。
中身も「2019年10月まで延期」というもので完全に事前報道の通りですね。このように大きな政治判断が事前にダダ漏れで良いのかという気もしなくはないですが、真相は、そうやってメディアに推測記事を書かせることで世論の反応を見ていた、ということなのでしょう。
その世論もおおむね好意的に受け止めているようです。増税を喜ぶ人はいませんからね。素直にうれしいと思う気持ちは記者にもありますが、しかしその裏側で莫大な借金が積みあがっています。今なら国民1人あたり800万円以上はあるでしょうね。カップルなら1,600万円、4人家族なら3,200万円以上になる計算です。下手な住宅ローンより多いです・・・。
これを減らしていくためには抜本的な歳出削減だけでなく増税が不可避です。しかも今回の増税延期の理由はズバリ「参議院選挙対策」でしょうから、その理由を認めてしまうと永遠に増税できないことになります。2、3年に1度は国政選挙がありますからね。「リーマンショック級の危機が起こらない限り延期はしない」と言っていたあの約束は一体どうなったのでしょうか。
・・・と、批判はそれくらいにして、とは言いつつこれからマイホームを購入しようという方にとっては、この増税延期は朗報ですね。少なくとも2019年10月までは増税を気にせずゆっくり物件探しができることになります。
焦って物件探しをしても良いことは何もありませんからね。マイホーム購入には、エイヤっという思い切りが必要ですが、それでも冷静さを失ってはいけません。
さらに気になるのはいつもご案内しているように最近のマンション価格の高騰ですね!
東京23区などの都心部では、記者も含め庶民にはなかなか手が出ないレベルまで高騰しているわけですが、増税が延期されればそれまでに多少は下がる局面が来るかもしれません。
これまでのマンション価格高騰を支えてきた爆買いも陰りが出始めているようですし、タワーマンション減税もメリットが縮小しています。さらに東北での復興需要が落ち着いて来れば人手不足も徐々に解消され、価格低下につながるかもしれません。
2020年に東京オリンピックが控えていることを考慮すればそううまくいくかどうかはわかりませんが、少なくとも「2017年4月まで」よりは「2019年10月まで」の方がそうしたチャンスを迎える可能性が高くなります。
いくら消費税が8%でも、住宅価格そのものが割高であれば、2%の差など全く意味がありません。次の増税までに住宅価格が少しでも適正化されることを期待したいと思います。上昇しているのはマンション価格だけではあるのですが・・・。
いずれにしてもそのように消費税の増税が2年半延期されたとなると気になるのが、他の住宅取得優遇税制がどうなるのかという点です。
現在、さまざまな優遇策が走っておりますがその中でも影響力が大きいのが以下3つでしょうか。
1. 住宅ローン減税(2019年6月まで)
住宅ローン年末残高の1%(上限40万円)×10年=最大400万円が減税となる。
2. 住まい給付金(2019年6月まで)
年収に応じて以下金額が支給される。
・消費税8%時
収入425万円以下 : 30万円
収入475万円以下 : 20万円
収入510万円以下 : 10万円
・消費税10%時
収入450万円以下 : 50万円
収入525万円以下 : 40万円
収入600万円以下 : 30万円
収入675万円以下 : 20万円
収入775万円以下 : 10万円
3.住宅購入資金の贈与税非課税措置(2017年9月まで)
子や孫に住宅購入資金をあげた時の贈与税が、最大3,000万円まで非課税になる。
いずれも2017年4月に予定されていた消費税再増税を見越して設定されていたものですが、上記の通り2017年9月から2019年6月までの間に終了してしまいますので、新たな増税時期=2019年10月を待たずして終了してしまうことになります。
となると「やっぱり急がなきゃ!」ということになるわけですが、さすがにそれだと本末転倒ですし、そもそも増税のネガティブインパクトを緩和するという趣旨を全く果たせないまま終了するということはないと思います。
実際にはやはりこれらの優遇策も同じように延長される、ということでしょうね。つまりこうなることが予想されます。
1. 住宅ローン減税 : 2019年6月まで → 2021年12月まで、に延期
2. 住まい給付金 : 2019年6月まで → 2021年12月まで、に延期
3.住宅購入資金の贈与税非課税措置 : 2017年9月まで → 2020年3月まで、に延期
だとすれば、やはり住宅取得は全く急がなくてよい、ということですね。
また、上記優遇策の目的は、増税のネガティブインパクトを和らげると同時に、増税前の「駆け込み需要」を無くすことだったわけですが、前回=2014年の増税を振り返ればきっちり駆け込み需要は起こりました。
だとすると、こうした優遇策がさらに拡充されるのは必至なのではないかと思います。もしそうなら、そうした優遇拡充を見極めてから購入のタイミングを決めてもいいわけで、住宅購入はなおさら急がなくてよい、ということになります。
というわけで、今マイホームをご検討されている方は納得ゆくまで物件探しを続けていただければと思います。
が。
そうした中で、あえて早めに購入するメリットを探すとすればこうした感じでしょうか。
1.2017年4月に向けての駆け込み需要がなくなったので不動産業者も金融機関も余裕が出て、丁寧な対応が期待できる。
2.住宅ローン金利が低い間に借りることができる。
3.住宅(マンション)価格がさらに上昇する前に買うことができる。
2の住宅ローン金利については3年後も低いままなのではないかと思いますが、3のマンション価格についてはどうなるのでしょうね?そろそろマンションバブルが崩壊してもいいのではないかと思うのですが、実際には上昇基調が続いています。
それこそリーマンショック級の危機が来ない限り、大きく崩れることはないのかもしれません。もしそうだとすれば早めに購入するのも手、ということになります。
そうしたわけで、全く焦る必要はありませんが、上記のようなメリット・デメリットを比べた上で冷静にご自分にとっての「買い時」を決めていっていただければと思います。
もちろん、素敵な物件に出会えることが大前提ではあるのですが。
参考になさってください。
<日本住宅ローンプランニング編集部>