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先日の日経新聞の記事で興味深いものがありました。タイトルは「中古マンション価格 東京都心や大阪 下落」というものでした。御覧になった方もおられるかもしれません。
これまで住宅ローン金利の劇的な低下もあって右肩上がりで上昇を続けてきたマンション価格ですが、もし曲がり角を迎えつつあるということであればこれから住宅購入を考えている方にとっては気になりますね。
消費税増税前の駆け込み需要も一巡し、価格が「上昇しすぎた」こともあって新築マンションについては発売数も契約数も低下しており、価格が下がりそうな予兆は多分にあったわけですが、予兆は予兆であって実際の価格はしぶとく上昇を続けてきました。
記者の感覚からすると、正直信じられないくらいのしぶとさであったわけですが、ついに価格上昇が止まるのであれば「ようやく!」という気がしますねぇ・・・。
それはともかくとして、元データをチェックしてみると東京カンテイ社が公表した中古マンション価格の推移はこのようになっています。
確かに、「東京23区」や「大阪市」についてはこれまでの価格上昇が止まりつつあるように見えますね!もう少し様子を見ないと断定はできないのかもしれませんが、もし価格上昇が止まるのであれば、これから住宅購入を考えている方にとっては朗報だと言えます。
ただし、横浜市やさいたま市、千葉市などは引き続き上昇しているように見えますし、名古屋市も同様です。中核都市が上昇しきった後で周辺に価格上昇が広がっていくというのは自然な流れなのかもしれませんが、「価格が頭打ちになりつつあるように見えるのは東京23区と大阪市のみ」であるという点は誤解のないようにしていただければと思います。
しかしこのように時系列で並べてみると、東京23区ではおよそ4,000万円だった70平方メートルの中古マンションが5,300万円に、大阪市では2,100万円だったものが2,900万円に上昇したわけですね。つまり3〜4割上昇しているわけで、逆に言えばそれくらい下落する可能性があるということになります。
将来のマンション価格を正確に予測することはできませんが、そうした価格下落リスクについては頭の片隅に入れておいていただければと思います。仮に自分のマンションの価格が下落したからと言って直ちに何か問題が起こるわけではありませんが、例えば住宅ローンを借り換えようとした時に「担保割れで借り換えできない」などと言ったことがあるかもしれません。
そのように中古マンション価格について潮目が変わってきているとすると次に気になるのが新築マンションの方です。と思っていたらちょうどいいタイミングで国土交通省が2016年11月の不動産価格指数を発表していますので早速チェックしたいと思います。
こちらも3年にわたり順調に(?)上昇を続けてきた新築マンション価格ですが、今回の調査ではそれなりにハッキリ下がっていますね!
過去3年の中で下がったことがないわけではありませんので、これを見て「新築マンション価格がついに頭打ち」と結論づけるのはさすがに早計ですが、ただ上記の通り「予兆」があったり、中古マンション価格の上昇が止まりつつあるように見える点を踏まえれば、やはりターニングポイントを迎えている可能性はそれなりにありそうです。
加えてこちらのデータは3ヶ月後の発表となっておりますので、もし本当に新築マンション価格が変調を迎えているのであれば、足元ではさらに鮮明になっている可能性があります。実際に新築マンションの情報を収集している方であれば気づいていることなのかもしれませんね。
いずれにしても繰り返しになりますが、これから住宅購入を検討されている方にとっては、不動産価格が低下するのであれば良いニュースです。いくら金利が低下しているとは言っても、住宅ローンの借入額は1円でも少ない方がいいのは言うまでもありません。
上記東京カンテイ社のデータも、国土交通省の不動産価格指数も毎月発表されているようですので、当サイトとしても継続的にチェックしていきたいと思います。
参考になさってください。
<日本住宅ローンプランニング編集部>