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ここ最近の金利動向を振り返ると、大きな転機となったのが、昨年11月のアメリカ大統領選挙でトランプ氏が勝利したことですね。
それに大きく反応したのがアメリカ債券市場で、実際にアメリカの長期金利の推移をチェックしてみるとこうなっています。
急激に上昇したわけですね!足元では金利上昇は一服しているようですがそれでも引き続き高水準にあり、日本の長期金利もまた金利上昇圧力を受けることになります。世界の金融市場はつながっていますからね。
実際のところ2月初旬に一時0.15%まで上昇した日本の長期金利ですが、ただ一方で現在の日銀の「金利操作付金融緩和」によって長期金利は「0%」が目標とされており、さすがに「0.15%は0%ではない」ということなのか、日銀が指値オペを実施し、長期金利は即座に0.09%台まで低下して本日に至っております。
要するに今は「アメリカ発の金利上昇圧力」と「日銀の金利操作」がせめぎあっている状態だということです。おそらく最終的には後者が勝利するものと思いますが、当面長期金利は0.1%近辺の水準を維持することになりそうです。本日の長期金利も「+0.070%」ということで、少し低下したものの、それでもやはり「0.1%近辺」の水準となっています。
なお具体的な4月の住宅ローン金利予測については以下記事にて詳しく述べておりますので参考になさってください。
>>>[2017年4月の住宅ローン金利予想] 全体的には据え置きも、需要期終了により多少の引き上げあり
結論としてはタイトル通り「全体的には据え置きも、需要期終了により銀行によっては多少の引き上げあり」としておりますが、果たしてどうなるでしょうか。
一方で。
本題の4月のフラット35住宅ローン金利を予測するのはずっと簡単です。
と言うのも、フラット35金利のベースとなる住宅金融支援機構の「機構債」の条件がすでに発表されているからですね!したがってここから長期金利がどう動こうとも、少なくとも4月のフラット35金利はほぼ確定です。
と言うわけでその「機構債」金利から、3月のフラット35住宅ローンの金利を予想してみたいと思います。
ちなみにフラット35住宅ローンの金利は概ね以下のような金利の積み上げで決定されているようです。
1.ベース金利=機構債金利
+
2.住宅金融支援機構のフラット35事業運営コスト
+
3.販売金融機関のマージン
残念ながら上記2や3の詳細な内訳は分かりませんが、しかしこれらがほとんど変動しないとすれば、上記1、つまり機構債の条件の変化がそのまま出来上がりのフラット35金利の変化となります。
では具体的に今月=3月発行の機構債の条件はと言うと、前月2月と比較してこのように変化しています。
◆前月と今月の住宅金融支援機構債の発行条件
・0.47% → 0.46% (−0.01%低下)
1ヶ月前の長期金利が「+0.090%」であり、本日は「+0.070%」ですから、それに準ずる形で順当に低下したということですね。
フラット35の金利としては最低水準にある楽天銀行をベースにするとこのように変化することになります。
◆楽天銀行のフラット35金利と来月の金利予測(単純計算)
・フラット20金利 : 1.01% → 1.00% (−0.01%低下)
・フラット35金利 : 1.12% → 1.11% (−0.01%低下)
下落幅も小さいですし予測としてはこんなものだと思いますが、念のためもう少し精度を高めるべく、過去6ヶ月の機構債の金利変動と、楽天銀行のフラット20、フラット35の金利変動をチェックするとこうなっています。
・2016年9月の機構債金利変動 : 0.33%→0.37%(+0.04%上昇)
10月のフラット20金利 : 0.96% → 0.95% (−0.01%低下)
10月のフラット35金利 : 1.02% → 1.06% (+0.04%上昇)
・2016年10月の機構債金利変動 : 0.37%→0.34%(−0.03%低下)
11月のフラット20金利 : 0.95% → 0.93% (−0.02%低下)
11月のフラット35金利 : 1.06% → 1.03% (−0.03%低下)
・2016年11月の機構債金利変動 : 0.34%→0.41%(+0.07%上昇)
12月のフラット20金利 : 0.93% → 1.03% (+0.10%上昇)
12月のフラット35金利 : 1.03% → 1.10% (+0.07%上昇)
・2016年12月の機構債金利変動 : 0.41%→0.48%(+0.07%上昇)
1月のフラット20金利 : 1.03% → 1.02% (−0.01%低下)
1月のフラット35金利 : 1.10% → 1.12% (+0.02%上昇)
・2017年1月の機構債金利変動 : 0.48%→0.46%(−0.02%低下)
2月のフラット20金利 : 1.02% → 0.99% (−0.03%低下)
2月のフラット35金利 : 1.12% → 1.10% (−0.02%低下)
・2017年2月の機構債金利変動 : 0.46%→0.47%(+0.01%上昇)
3月のフラット20金利 : 0.99% → 1.01% (+0.02%上昇)
3月のフラット35金利 : 1.10% → 1.12% (+0.02%上昇)
こうしてみると、フラット35の金利はこの機構債の金利に概ね連動していることが分かります。
一方で全然法則性が見えないのがフラット20の金利ですね!そのうち、金利決定メカニズムが分かる日が来ることを祈っております。
ということで今回も全くの勘ではありますが、当サイトの3月のフラット35金利予測は最終的にこう結論づけたいと思います。
◆楽天銀行のフラット35金利と来月の金利予測(最終結論)
・フラット20金利 : 1.01% → 1.00% (−0.01%低下)
・フラット35金利 : 1.12% → 1.11% (−0.01%低下)
つまりは機構債の金利変動がそのままフラット20・35の金利に反映される、という読みですね。恐らく大きくズレることはないと思いますが・・・。
なおこの予測に楽天銀行の金利を利用しているのは、楽天銀行のフラット35は、金利+手数料のトータルコストが最低水準だからですが、それでもこれはあくまで「表面金利」であり、取扱い手数料や、団体信用保険のコストなどを加味すると「実質金利」は概ねこのようになります。
◆楽天銀行のフラット35金利と来月の金利予測(最終結論:実質金利)
・フラット20金利 : 1.45% → 1.44% (−0.01%低下)
・フラット35金利 : 1.56% → 1.55% (−0.01%低下)
表面金利からすれば魅力は低下してしまいますが、それでも「全期間固定金利」という点を踏まえれば、かなり魅力的と言えます。
ただし上記金利はあくまで「予測」ですので、実際の金利は来月1日以降に正式発表されてからご確認いただければと思います。
>>>フラット35の最新金利について詳しくはこちら
ちなみにこのフラット35、フラット20、そして機構債の金利推移をグラフにするとこのような感じになります。
過去5年間の平均値を見る限り、フラット35・フラット20の金利変動と、機構債の金利変動との間に大きな差はありません。つまり概ね連動してきたということですね。
と言うわけで繰り返しになりますが今月=3月の機構債の金利はわずかに低下しましたので、恐らく4月のフラット35住宅ローン金利もわずかに低下することになりそうです。フラット35の申し込み数にも影響するでしょうか?
参考になさってください。
みなさんが来月も最高の住宅ローンに出逢えることを祈っております。
<日本住宅ローンプランニング編集部>