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ご存じの通り先週から今週にかけて、世界の株式市場は暴落しました。震源地であるアメリカのNYダウの株価をチェックするとこうなっています。
すでに25,000ドル近くまで値を戻しているものの、これまでの順調すぎる株価上昇が一気に崩れました。
日経平均株価も同様ですね。
投資家の皆さんは肝を冷やされたのではないかと思います。
ただ一方で、住宅ローン利用者としては残念な気持ちばかりではなかったかもしれません。と言うのも基本的に株価と金利というのは連動しています。株価が上昇すれば金利も上昇し、株価が下落すれば金利も低下する関係にあるのですね。
とするとこういった波及効果が期待できるわけです。
・株価下落 → 市場金利低下 → 住宅ローン金利低下
さすがに株価下落を喜ぶことはないかもしれませんが、「住宅ローン金利が低下するかな?」と期待するくらいは許されそうです。
では代表的な市場金利である長期金利はどうなっているかと言うとこうなっています。
ここ最近はジワジワ上昇している状況でしたが、少なくとも株価が暴落したここ数日は0.08%前後で「ほぼ変わらず」という状況であることが分かります。
市場金利が株価に反応しないのであれば住宅ローン金利も反応することはなさそうです。残念ですね。
ではなぜ株価が下落したのに金利は反応しなかったのでしょうか?その理由は、今回の株価暴落の要因が「アメリカの長期金利上昇」に伴うものだったからですね。アメリカの長期金利はこのようになっています。
見事に上昇していますね!なぜこのタイミングでアメリカの長期金利が急上昇しているのかよく分かりませんが(日欧の金融緩和縮小観測が原因という解説もありますが個人的にはあまり納得していません)、日本の金利には2つの圧力が加わっていることになります。
・金利低下圧力 : 株価下落
・金利上昇圧力 : 米金利上昇
このように金利低下圧力と上昇圧力の2つが引っ張り合った結果、日本の金利は「変動しない」という凪状態になっているものと思います。
ただ一方で日本の長期金利の動向を1月から見れば、アメリカの金利上昇と歩調を合わせるようにジワジワ上昇してきていることが分かります。同じグラフで矢印を伸ばすとこうなります。
しかし日米の足元の金利動向を比較すると、アメリカの金利は引き続き上昇傾向にある一方で、日本の金利は一旦ピークアウトしたように見えるのはなぜでしょうか?株価下落が金利低下圧力となったのはアメリカの金利も同じはずですので、それ以外の理由があるはずですね。
その答えは・・・皆さんもよく分かっておられると思いますが、日銀のイールドカーブコントロールによって長期金利は0.1%を超えないようコントロールされているからですね。
実際、長期金利が0.095%まで上昇した2月2日には日銀は「0.11%での指値オペ」を実施し、長期金利が0.1%を超えて上昇するのを認めない姿勢を再び明らかにしました。
日銀のこうした金利コントロールに対する強いコミットメントが続く限り、日本の長期金利が大きく上昇することはなく、住宅ローン金利もまた引き続き低位安定するということですね。
恐らくアメリカの長期金利が示すように、今は日本でも金利低下圧力より金利上昇圧力の方が強い状況かと思いますが、長期金利が0.1%を超えるような金利上昇には日銀が強く「フタ」をしているわけですから、住宅ローン利用者からすればありがたい状況と言えます。
住宅ローン金利が上がるのも下がるのも「日銀次第」ということですね。新しい総裁はどなたになるのでしょうか?
誰が日銀総裁になっても、今の金融政策が継続され、住宅ローンの低金利が1日でも長く続くことを期待したいと思います。
参考になさってください。
<日本住宅ローンプランニング編集部>