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先日のコラムでもご案内したように、住宅ローンの金利タイプのシェア=ランキングに関する調査について信頼できるものはいくつかあります。
>>>住宅ローン金利タイプランキング、当サイトお勧めタイプは何位?FRK2018年調査
再掲するとこういう感じですね。
まず1つ目は国土交通省が金融機関にヒアリングした調査結果で、このようになっています。
ただこれは2016年度=2017年3月期の調査結果となりますので少し古いですね。
2つ目は国土交通省が住宅購入者に対してアンケート調査を行ったもので、このようになっています。
3つ目は一般社団法人住宅生産団体連合会の「2017年度戸建注文住宅の顧客実態調査」ですね。あくまで注文住宅購入者の方々のデータとなりますが、このようになっています。
4つ目は一般社団法人不動産流通経営協会の「不動産流通業に関する消費者動向調査」ですね。このようになっています。
こちらは「2018年度」となっていますが、実際には2017年3月期に関する調査結果です。
いずれにしても特に後者2つの調査結果から推測されるのことは
・2016年に一旦人気が下がった変動金利タイプが2017年になって再び人気が回復している
という点です。これは長期金利の動きを振り返れば当然かもしれません。
2016年2月のマイナス金利政策発動により大きく下がった長期金利ですが、2016年後半は反転して上昇しました。
とすると長期金利に相関する住宅ローン固定金利もまた2016年後半以降、上昇してしまったわけですから、金利が上昇しなかった変動金利タイプに人気が集まるのは必然ですね。
ただ一方で1つ目の国土交通省の調査を除けばいずれも「消費者へのアンケート調査」であり、その信ぴょう性にはやや疑念が残ります。正直に回答している保証はありませんし、そもそも本当に回答してほしい人に回答してもらっているかどうかも分かりません。
より正確な情報を把握するためには「消費者アンケート」ではなく、実際に住宅ローンを貸し出している「金融機関へのアンケート」の最新の調査結果が待たれるわけですが、ちょうど住宅金融支援機構が「民間住宅ローンの貸出動向調査」の2018年度版を発表していますのでご紹介したいと思います。
「金利タイプ別の住宅ローン貸出実績」はこのようになっています。
やはり変動金利タイプの人気回復は顕著ですね!過去4年の変動金利のシェアはこうなっています。
・2015年3月期:54.7%
・2016年3月期:61.8%
・2017年3月期:49.9%
・2018年3月期:63.9%
V字回復し、2018年3月期の変動金利タイプのシェアは過去4年で最高になっています。
そしてもう一度長期金利のグラフをチェックしていただければ分かるように、2018年は長期金利は多少上昇することはあっても下落することはありませんでしたので、こうした「変動金利人気」は今でも続いていると考えて間違いなさそうです。
実際、住宅金融支援機構の「消費者へのアンケート調査」の最新結果はこのようになっています。
「2018年4月〜9月」の調査でも変動金利タイプのシェアは57.0%ということで掲載期間を通じて最大のシェアになっています。
この調査は上記の通り消費者への調査であるほか、過去は「全期間固定タイプのシェアが1位」という、フラット35を販売している住宅金融支援機構にとって都合のいいデタラメな結果となっていましたので記者自身はまだ完全に不信感を払しょくできていないものの、それでも最近の調査結果は他の調査と比べても不自然な点はなく参考にしても良さそうです。
このように住宅ローンの金利タイプの中では変動金利タイプの人気が顕著ですが、ただ足元の長期金利は低下傾向が鮮明で、再びマイナス水準になる可能性も指摘されています。
とすると今後、住宅ローンの固定金利タイプの人気が再燃する展開もあるのでしょうか?金利次第だとは思いますが、注目したいと思います。
参考になさってください。
<日本住宅ローンプランニング編集部>