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これから住宅購入を検討されている方にとって向かい風となっているのが住宅価格の上昇傾向ですね。国土交通省が発表する住宅価格指数はこうなっています。
確かに2013年ごろから明確に上昇しているわけですが、中でも上昇しているのは誰が見てもわかるようにマンション価格ですね。もともと100くらいだったものが足元では150近いわけですから1.5倍です・・・消費者が購入を躊躇するのも当然ですね。
住宅地や戸建て住宅の価格はほとんど上昇していませんので尚更です。
とすると消費者の購入意欲も同時に下がっているかと思われますが、スタイルアクト社が直近3ヶ月間に新築マンションの販売センターに行った経験がある人のみを対象とした、マンション購入に関するアンケート=「第46回マンション購入に対する意識調査」の結果を見てみるとこうなっています。
前回の調査から比較すると「マンションの現在の価格」に対する意識はざっくりこうなっています。
・高い : 71.1% → 60.9%
・どちらでもない : 25.9% → 37.1%
・安い : 3.0% → 2.0%
うーん、この結果をどう見るかですね。「高い」という回答は前回調査と比較して10%以上も低下しましたが、ただその分「安い」という回答が増えているわけでもなく、また回答者が前回の270人から143人へ大きく減少している点も気になるところです。
つまり今回の結果は「たまたまそうなった」可能性も高く、これをもってマンション価格が下落傾向にあるとは言えないということですね。
ちなみに「東京23区」と「その他」の回答結果を前回調査と比較すると・・・と思ったらなぜか前回の45回の調査結果が出てきませんね。発表し忘れたのでしょうか?ということで前々回の44回の調査結果と比較すると、「高い」という回答はこのように変化しています。
・東京23区 : 73.3% → 71.6%
・その他 : 62.0% → 46.8%
東京23区以外の「その他」の地域の価格が下落していることが示唆されています・・・でも本当にそうなのでしょうか?
というわけで、不動産経済研究所の「首都圏マンション・建売市場動向2019年8月度」をチェックするとこうなっています。
まず首都圏全体で見れば新築マンションの価格は高水準で高止まりしていることが分かります。
近畿圏については確かに8月の新築マンション価格は過去3年で最低水準に落ち込んでいますが、7月は逆に過去最高値となっており、トレンドとして下落しているわけではありませんね。
8月はたまたま単価が低めの新築マンションが供給されたということなのでしょう。
念のため日本不動産研究所の「不動産住宅価格指数」をチェックするとこうなっています。
こちらは一都三県の中古マンションの価格推移ですので上記調査とは少し異なりますが、こちらも少なくとも過去6ヶ月において価格が下落傾向にあるということはなさそうです。
ということはやはりスタイルアクト社の調査結果=「マンションの現在価格について高いと回答した人が大きく減った」のは「たまたま」ということなのでしょう。
残念ながら消費税は増税されましたが、住宅ローン減税の拡充やすまい給付金の増額がスタートし、住宅市場は逆にこれから盛り上がっていく可能性もあります。
時期的にも徐々に需要期に入ってきますしね。
こうしたマンション価格がどのように変化していくのかという点も注視しておきたいと思います。
参考になさってください。
<日本住宅ローンプランニング編集部>