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この10月に消費税が増税され、住宅市場も住宅ローン市場も一旦は低迷するものと思います。そこまで大きなものではなかったにせよ増税前の駆け込み需要はそれなりにあったようですからね。
こうした駆け込み需要は基本的には「需要の先食い」ですので、その後で市場が低迷するのは当然です。
住宅ローン減税やすまい給付金などが拡充され、多くの方にとっては「増税後に購入した方がお得」な状態でしたが、顧客心理はそこまで合理的なものではないということですね。
さてそのように需要が一旦落ち着くのであれば市場原理に従えば住宅価格は低下することになりますが、では最近の住宅価格はと言うと、国土交通省が発表している住宅価格指数はこのようになっています。
8月調査分ですので増税前の数値とはなりますが、まず赤の総合指数を見るとこの数ヶ月は低下傾向にあることが分かります。毎年、「春に上昇してその後下がる」というのがバイオリズムのようですので目新しいことではないのかもしれませんが、その後はどうなっているのでしょうね?
指数の内訳を見てみると価格の下落傾向がハッキリしているのが青の戸建て住宅ですね。俯瞰してみても戸建て住宅はこの10年間、ほとんど価格が変動していないことが分かります。
住宅購入者から見れば住宅価格は上がっても困るけれど、購入した後のことを考えれば下がっても困るわけで、このような安定した価格推移は「ちょうどいい」と言えます。
逆に困ってしまうのが緑のマンション価格ですね!こちらは2013年から右肩上がりで上昇し、現時点では150と往時の1.5倍まで上昇していることが分かります。ここまで上昇するともはや適正価格がいくらなのか分かりませんが、これからマンションを購入される方は今の150から元の100まで、3割程度の価格下落リスクがあると考えておいた方が良さそうです。
そのマンション価格ですが、グラフを細かく見ると少し上昇が止まりつつあるようにも見えます。今後の価格動向がどうなるのか気になるところです。
と言う事で今回は日本不動産研究所が発表した「不動研住宅価格指数」の数字もチェックしたいと思います。「9月値」ですのでまだ「増税前」ではありますが、逆に言えばこの値がピークとなりそうですので参考になりますね。
あくまで「首都圏」の「既存マンション=中古マンション」の価格動向ですがこうなっています。
去年の12月の数字と比較するとそれぞれこのように推移しています。
・首都圏総合 : 91.73 → 91.33
・東京 : 100.73 → 100.54
・神奈川 : 87.06 → 85.56
・千葉 : 70.49 → 70.23
・埼玉 : 73.75 → 74.49
つまりは埼玉を除けば、他の一都二県は去年の12月よりわずかながら低い価格で推移しているということですね!
9月の数字でこれですから、10月以降は低下傾向がさらに鮮明になりそうなものですが果たしてどうなるでしょうか?
そもそも今般のマンション価格の上昇は
・復興需要やオリンピックによる人手不足に伴うもの
と説明されてきましたので、2019年も年末となり、そうした環境要因が足元では終息しつつある可能性はあります。
また、この10年の住宅需要を支えてきた団塊ジュニアも50代が近づき、住宅市場から退出していくであろう点も徐々に影響してくるのではないかと思います。
上記の通り「増税」というイベントも通過したわけで、いよいよマンションの価格上昇がピークアウトすることは十分あり得そうですが、今後発表される各種住宅価格指数に注目していきたいと思います。
参考になさってください。
<日本住宅ローンプランニング編集部>