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ここ最近の住宅ローン金利の動向を振り返るとずっと安定的に推移してきました。これは現在実施されている日銀の「金利操作付金融緩和=イールドカーブコントロール」によって長期金利がおおむね「−0.1%〜0.1%」の範囲内でコントロールされてきたからです。
しかし7月末に日銀はこの長期金利の変動幅=「−0.1%〜0.1%」を2倍、つまり「−0.2%〜0.2%」に拡大すると発表しました。これは実質的には「長期金利の上昇」を意味しますので、今後長期金利は0.2%を目指して上昇し、住宅ローン金利も相応に上昇していくことになりそうです。
では足元の長期金利はどうなっているかと言うとこのような推移になっています。
一旦、0.15%を超えるレベルまで上昇した長期金利ですが、その後は下落傾向ですね!本日は「+0.105%」ということで先月のこの時期の「+0.145%」から大きく後退しています。
これはやはり最近の株価の下落傾向が影響しているのでしょうね。日経平均の株価推移はこのようになっています。
ほぼ同じ下落トレンドを描いていることが分かります。住宅ローン利用者としてはラッキーな状況と言えるかもしれませんが、実体経済は好調ですし、今のところ株価が大きく下がる理由は見当たりません。とすると足元の金利低下はあくまで「一時的」なものであり、早晩再上昇する可能性が高いですね。
とすると住宅ローンの検討を進めるには良いタイミングと言えそうです。
なお来月=12月の住宅ローン金利予測については以下記事にて詳しく述べておりますので参考になさってください。
>>>[2018年12月の住宅ローン金利予想] 基本据え置き 株価+キャンペーンによって多少変動する可能性あり
結論としては「固定金利タイプは基本的に据え置きも、多少上下する可能性あり」としています。10月下旬の時点ですでに長期金利は低下していたからですね。
予測になっていない気もしますが、金利が上がるとすれば「株価上昇」、金利が下がるとすれば「株価下落+キャンペーン優遇」ですね。
ただしいつものように変動金利は「据え置き」の予想です。果たしてどうなるでしょうか。
とは言いつつ。
本題の12月のフラット35住宅ローン金利を予測するのはずっと簡単です。
と言うのも、フラット35金利のベースとなる住宅金融支援機構の「機構債」の条件がすでに発表されているからですね!したがってここから長期金利がどう動こうとも、少なくとも12月のフラット35金利はほぼ確定です。
と言うわけでその「機構債」金利から、12月のフラット35住宅ローンの金利を予想してみたいと思います。
ちなみにフラット35住宅ローンの金利は概ね以下のような金利の積み上げで決定されているようです。
1.ベース金利=機構債金利
+
2.住宅金融支援機構のフラット35事業運営コスト
+
3.販売金融機関のマージン
残念ながら上記2や3の詳細な内訳は分かりませんが、しかしこれらがほとんど変動しないとすれば、上記1、つまり機構債の条件の変化がそのまま出来上がりのフラット35金利の変化となります。
では具体的に今月=11月発行の機構債の条件はと言うと、前月10月と比較してこのように変化しています。
◆前月と今月の住宅金融支援機構債の発行条件
・0.50% → 0.46% (−0.04%低下)
1ヶ月前の長期金利が上記の通り「+0.145%」で本日は「+0.105%」と低下したことから、それに準ずる形でこの機構債の金利も「−0.04%低下」になったということですね!
フラット35の金利としては最低水準にある楽天銀行をベースにするとこのように変化することになります(いずれも団信込の金利)。
◆楽天銀行のフラット35金利と来月の金利予測(単純計算)
・フラット20金利 : 1.35% → 1.31% (−0.04%低下)
・フラット35金利 : 1.45% → 1.41% (−0.04%低下)
概ねこんなものだとは思いますが、念のためもう少し精度を高めるべく、過去6ヶ月の機構債の金利変動と、楽天銀行のフラット20、フラット35の金利変動をチェックするとこうなっています。
・2018年5月の機構債金利変動 : 0.40%→0.42%(+0.02%上昇)
6月のフラット20金利 : 1.30% → 1.31% (+0.01%上昇)
6月のフラット35金利 : 1.35% → 1.37% (+0.02%上昇)
・2018年6月の機構債金利変動 : 0.42%→0.39%(−0.03%低下)
7月のフラット20金利 : 1.31% → 1.29% (−0.02%低下)
7月のフラット35金利 : 1.37% → 1.34% (−0.03%低下)
・2018年7月の機構債金利変動 : 0.39%→0.39%(据え置き)
8月のフラット20金利 : 1.29% → 1.29% (据え置き)
8月のフラット35金利 : 1.34% → 1.34% (据え置き)
・2018年8月の機構債金利変動 : 0.39%→0.44%(+0.05%上昇)
9月のフラット20金利 : 1.29% → 1.31% (+0.02%上昇)
9月のフラット35金利 : 1.34% → 1.39% (+0.05%上昇)
・2018年9月の機構債金利変動 : 0.44%→0.47%(+0.03%上昇)
10月のフラット20金利 : 1.31% → 1.33% (+0.02%上昇)
10月のフラット35金利 : 1.39% → 1.41% (+0.02%上昇)
・2018年10月の機構債金利変動 : 0.47%→0.50%(+0.03%上昇)
11月のフラット20金利 : 1.33% → 1.35% (+0.02%上昇)
11月のフラット35金利 : 1.41% → 1.45% (+0.04%上昇)
フラット35・フラット20の金利は機構債の金利に概ね連動していることが分かります。
とは言いつつ念のため前回条件決定日である10月19日の市場金利を本日の金利と比較してみたいと思います。
・ 5年もの金利 : −0.055% → −0.087% (−0.032%低下)
・10年もの金利 : 0.150% → 0.114% (−0.036%低下)
・15年もの金利 : 0.424% → 0.378% (−0.046%低下)
・20年もの金利 : 0.684% → 0.641% (−0.043%低下)
・30年もの金利 : 0.910% → 0.866% (−0.044%低下)
恐らくフラット35・フラット20の平均残存期間はそれぞれ15年・10年といった感じかと思いますので、15年もの金利・10年もの金利が参考になりそうですが、10年もの金利は「15年もの金利より低下幅が少ない」ということですね。
そうしたわけで当サイトの12月のフラット35金利予測はこう結論づけたいと思います。
◆楽天銀行のフラット35金利と来月の金利予測(最終結論)
・フラット20金利 : 1.35% → 1.32% (−0.03%低下)
・フラット35金利 : 1.45% → 1.41% (−0.04%低下)
今回は金利差も分かりやすく、多少自信がありますが果たしてどうなるでしょうか・・・。
ちなみにこの予測に楽天銀行の金利を利用しているのは、楽天銀行のフラット35は、金利+手数料のトータルコストが最低水準だからです。同じフラット35でも銀行によって金利や手数料が異なりますのでご注意ください。
また、上記金利はあくまで「予測」ですので、実際の金利は来月1日以降に正式発表されてからご確認いただければと思います。
>>>フラット35の最新金利について詳しくはこちら
なお、このフラット35、フラット20、そして機構債の金利推移をグラフにするとこのような感じになります。
上記の通り2017年10月の金利上昇は例外として、過去6年間の平均値を見る限り、フラット35・フラット20の金利変動と、機構債の金利変動との間に大きな差はありません。つまり概ね連動してきたということです。
そして今月=11月の機構債の金利は低下しましたので、「12月のフラット35・フラット20住宅ローン金利も同じように低下する」ということですね。
参考になさってください。
みなさんが来月も最高の住宅ローンに出逢えることを祈っております。
<日本住宅ローンプランニング編集部>